こんにちは。大学4年の宮崎です。
最近は国家試験の勉強に加え、卒業研究も始まりました。授業のコマ数は少ないものの、空き時間の多くを国家試験の勉強に充てており、なかなかハードな生活を送っています。今後始まる臨地実習の実習先も決定し、いよいよ始まるのだとやや緊張を抱きつつも、未来への希望を抱いて生きているところです。
今後私がコラムを書く回数も限られてきますから、皆さんにとって有効となる可能性が大きいものを提供しなければなりません。
大学2年時に書いた勉強法のコラムが非常に好評で閲覧数も多かったため、今回も勉強に関する話をして、皆さんのひとつの目安としていただこうと考えております。
(↓ 以下は以前の勉強法に関するコラムです ↓)
さて、今回は臨床検査技師国家試験に関して私が考えることをつらつらと述べていこうと思います。まず前提ですが、私はまだ国家試験を合格していないので、同じ受験生に情報を共有するという側面でコラムを書きます。なので、国家試験を合格した方のアドバイスなどを聞きたい方は、国家試験をテーマとしたSOLS企画会などにぜひご参加ください。
また、すでに合格ラインを越えている受験生はこの先は当たり前の話しかしませんので参考になりません、あらかじめご了承ください。
〈押さえておくべき前提〉
・養成校によってカリキュラムに違いがあるため、現時点での成績や定期試験の点数、校内模試の点数、模擬試験の点数から評価することは簡単なことではない。
・現在、大学受験における”模擬試験から大学合格までの解析”のようなことは、臨床検査技師国家試験ではなされていない。つまり、本番の点数と模擬試験の点数推移の解析は養成校単位でしかなされておらず、特に新設校に関してはこの情報が足りないのが現状であり、模擬試験の点数のみから今後の点数予測などをするのは難しい(そもそも点数予測の必要性がないのかもしれない)
・しかし、臨床検査技師国家試験は大学受験のような相対評価の試験ではなく、120点を超えれば合格であり、やるべき内容や方法論などは今現在多くのサイトやSNSでの情報発信を参考にすることができる。
① SNSに流れる情報をどのように解釈するか
これは「言葉を鵜呑みにしない」ということでもあります。SNSに流れる情報は、自分と違う養成校に通う誰かによるもので、その人とは学習進度や境遇も異なる。まずは情報を参考にし、自身の現状と照らし合わせて、情報を解釈していくことが最も大切な姿勢だと考えられます。
例えば、「〇〇月から勉強を始めた」という意見はその発信者の主観が多く含まれており、その方が振り返った時にいつから「受験勉強」として考えられる勉強や時間の使い方をしたのかというだけであり、その背景には最終学年まで進級してきた(=定期試験を乗り越えた)、学校が行う国家試験対策授業を受講した、過去問題集を買って少しずつ解いていたなどがあるため、「まったく勉強していなかった」というのは不正確であることを認識することが必要だと考えます。
また「赤本(臨床検査学の教科書)を読まなくても受かる」といった情報もたまに見かけますが、それはただ過去問題集に載っている知識が赤本に内包されているだけということだと考えています。ここで大切なのは「赤本を通読する目的は何か」ということを再考することだと考えています。個人的には「①文章の読解力を維持・向上させること、②通読を通して知識の体系化を図ること」だと考えています。決して赤本の端にある知識だけを問う問題に対処する手段として赤本は読まないことです。
② 模擬試験を正しく解釈する
今後私たちは模擬試験を解いていくわけですが、ここで個人的に大切にしたい考え方があります。まず点数の上昇は自信の知識が増えてきたと捉えてよいと思いますが、一方で点数が下がった際にどのように解釈するかです。点数が下がることと学力が下がることを同義としないということです。(仮に勉強を全くせず大幅に点数が下がればその限りではありません)
勉強をしても点数が下がることは模擬試験において十分にあり得ます。なぜなら、膨大な範囲の試験において問われる方法は多様に存在し、すべてについてカバーしきることは困難を極めるためです。それは「学力(=学ぶ力)の低下」ではなく「その試験での実力発揮率の反映」でしかないと思います。
よって考えるべきは、①すべての選択肢を吟味して解答できたか、②いつも同じ手法を採り、ミスを減らす練習をできたか、などです。結局5択の問題も3つや2つまで絞れたのに、という問題もありますから、もちろんすべて吟味できるならそれに越したことはありません。ただ、自分が過去にできたものがしっかりでき、できなかったものができるようになっているという成長の視点を忘れないことの方が大切だと思います。さらに、できなかったものを確実にできるようにしていく努力を欠かさないことです。
やるべきことを、周りに流されることなく坦々と。
③ 過去問題集について
過去問題集は何をやるのかは全く重要ではなく、どの問題集も載っている問題自体は同じで、異なるのは問題量や解説量、サイズ、アプリがあるか否か程度で、自分に合ったものを選択すればいいだけかと思います。結局知識を身に付けるのは紛れもなく自分である。
また、個人的には複数の問題集を持っていても何ら問題ないかと思います。それは分野によって使い分けるケースもあるうえ、載っている問題そのものは何も違いがないためです。
大学受験時に問題集をたくさん持っていても...と言われるのは、載っている問題が異なり、一冊をやり切る方が総合的に学力が向上すると考えられているからであり、同じ問題が載っていて解説が違うだけなら、いくらか情報があったほうが深みが出る可能性は考えられます。(もちろん使い方に注意する必要があると思いますが、ここでは触れません)
④ 勉強は時間がかかるものだと理解する
よく勉強について「質」や「量」が議論されることがありますが、私はこの類の議論が嫌いです。なぜなら、勉強において知識を身につける際、事前知識の有無、今までどんな経験をしてきたかによって定着の仕方も人によって異なり、定量的に評価することもまた難しいためです。この場合あえて考えるならば、質とは「その時間を集中して取り組むことができたか」、量とは「知識をどれだけ習得できたのか、習得するためにさまざまな文献を読んだり、問題を解くことができたか」と私は考えています。
ここで、私たちはよく「効率よく勉強したい」と思考します。つまり「短い時間でさまざまなことを習得したい」と考えるわけです。しかし多くの場合、効率を上げることを重視しすぎるとかえって何も身にならない勉強をして本末転倒を起こすと考えています。
例えば、問題演習で覚えていなかった知識について、「教科書に書いてあるしいいか」という確認だけで終わらすと、結局自分ができなかったことがわかっただけで、何も習得できていないこともあります。一つ工夫としては”書く”という行為や”声に出す”といったアクションを取り入れることで記憶は強化できます。(見て覚えられるならそれだけで十分ですが、それができるならとっくにその知識を習得しているはずなので、自問自答し続けて自分に足りないことを明確にすることは大切だと思います)
目的に応じた教科書の使い方や問題集の使い方、そして工夫を凝らすことで、一度勉強した内容も、いったん忘れたとしてもまた思い出しやすくなると考えています。これがいわゆる勉強の質を上げるいち手法なのかもしれません。
勉強は時間がかかってしまうものですがそれは至って普通のことで、無理やり時間を短縮することは逆効果になる可能性もあることは理解しておいてもよいかもしれません。
⑤ 国家試験当日に持っていくものを想定して学習する
これは私がもともと考えていたことではなく、ある方からの助言が役立っています。これは特に受験生が意識すべきことだと考えています。
国家試験当日だけではなく、模擬試験当日なども含めて、教科書すべてを持っていく人はいないと思います。自分にとって必要な資料や書籍を持っていくことが必要ですが、それを意識して普段から学習することも必要だと考えています。
私は、国家試験問題や模擬試験問題を解いて、そこで自分に足りなかった知識や、そこから想起できる知識などを、授業のレジュメや赤本、『病気がみえる』シリーズをもとに書く出すようにしています。結果まとめている感じになっています。(私はまとめノート否定派ですが、どの学習段階なのかによって合う学習法は異なるとも感じています)
書く作業を”サボる”と結局何も印象に残らないというのも私の悩みだったので、今はこれで何度も見返したり、アウトプットできる形にしているので、記憶の定着を図っているところです。国家試験本番では作成したファイルを持っていくと決めています。
⑥ 受験は「自己管理」を大切に
私は4年生に上がる前から食事や睡眠に気を遣っていましたが、4年生になってからその意識をより高めるようにしました。いわゆる”自己規律”です。
食事はできるだけヘルシーにして、おなかに良いものを食べる。睡眠は決まった時間に7時間程度確保する。これは睡眠・食事の管理も国家試験対策と本気で信じているからです。特に睡眠に関しては6時間を切ると体調が良くはなく、5時間だと強い眠気が生じたり、メンタルコントロールが難しくなる経験があり、睡眠が自分の生活の土台であることを強く意識しました。(適切な睡眠時間は個人によって異なり、朝型・夜型は遺伝子で決まっているらしいので、自分に最適なものを選びましょう)
その他にも、座って作業すると効率が落ちることも多かったため、スタンディングデスクを購入して、立って作業することも増やしました。さらに定期的に筋力トレーニングもして身体のケアをしたり、入浴のタイミングを就寝時刻の約1時間半前にしてみたりなど、さまざまな工夫を私生活に取り入れています。
私は大学受験時に2年間の浪人生活を経験しましたが、その際に慢性的なストレスのせいか、自律神経失調症となり、自分がしたい行動に身体が追い付いてこなく、それに対しても脳が拒絶するような一種気持ちの悪い経験をしました。
今は健康な精神と身体があるからこそ、勉強ができているのだと思います。無理しすぎることは禁物ではありますが、勉強し続けることは私自身のためにもなり、他者のためにもなると信じています。そのためにも、土台である精神と身体を健康に維持することを心がけています。
今回は具体的に「勉強法」を述べたのではなく、その“捉え方”のようなものを考えました。私も現在とにかくハードと感じる日々を過ごしており、たまに心が折れかけることもあります。それが自分の能力不足なのではないかと疑うこともたくさんありますが、自分にできることには限界もあると理解しながらも、まだまだ成長できるのだと、現状を正しく理解して進んでいきたいと考えています。
少しずつ国家試験本番が近づきますが、勉強のみならず、卒業研究や臨地実習も充実させ、SOLSでの残り僅かな活動も全力を注げるようにこれからも努力し続けます。
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