皆さんこんにちは。無事に3年生へと進級できた宮崎です。
コラムの内容は毎回非常に悩みますが、今回は「組織」をまとめる難しさに直面している僕自身の経験や今後について書いていきたいと思います。
以前僕は『学習する組織』を紹介しました。
「組織」が持続的に成長し続けるための5つのディシプリンとその内容を簡単に紹介しました。しかし、あらゆる組織にこれを適用することができるかと問われれば、その解答はNoなのかもしれません。「学習する組織」を基盤として、組織が目指す「共有ビジョン」に向けて努力するにあたって、組織の構成要素としてのメンバーがその成長を阻害する可能性を否定できないからです。つまり組織には周囲との協調性を欠いて談論風発するような環境を構築するための努力を怠ることもあると考えられるからです。
ここでは、自分には間違っている可能性があるという「誤謬性」を正しく理解することが大切だと思います。自分の意見を持つことと他者の意見を聴いて思考することは同じくらい重要であり、互いの意見のすり合わせも必要です。ですのでまずは自分の意見を発信して、他者の意見を聴き入れる姿勢をもつことが大切です。
これは自分が信じていることを簡単に変えなければならないということではなく、自分自身の思考にも間違いが含まれている可能性があり、同時にそれを批判的に論じる準備があるという高度な知性を身に付けることが、組織を運営する全員に共通する課題の1つなのかもしれません。
僕自身はSOLSで共同代表、大学ではクラス委員長、大学サークルでは代表を務めています。もともと組織の中心になることはなかったので、このように複数の組織で代表をするとは想像もしなかったです。良い経験であるのと同時に、これは自分自身が大きく悩む経験になったことも、また事実です。
今年にはいってから、身内の不幸を経験したり、人間関係で少し苦労したり、同時に組織に関する本を読み漁ってさまざまな知に触れる中で、「自分自身について」そして「自己と他者との関係」、「自分が他者にもたらす悪影響」を考えました。
・「僕自身が存在することによって組織のメンバーが萎縮しているのではないか」
・「僕だから皆が付いてきてくれていないのではないか」
・「僕の性格が雰囲気を悪くしているのではないか」
あらゆることを考えました。僕が組織の成長阻害要因になるならばこの場から立ち去ろう、そんなことを考えSOLSから脱退しようと考えていた時期がありました。
しかし、SOLSで仲の良い友人やほかの共同代表の方に話を聞いてもらう機会を得て、僕自身が持つ「良さ」を教えてくれました。さらに僕は、僕が考える「良さ」を求めて努力して生きてよいのだと考えることができました。
リーダーにはさまざまな能力が求められると思います。それが何であるかは、僕自身ごく一部しか経験できていないのだろうと思いますが、例えば組織でどれだけリーダーが優秀であっても、メンバーが何もしない場合は、組織として成立せず崩壊していくだろうと考えます。もちろんメンバーをどのようにサポートするかはリーダーの力量にもよるかもしれません。
またリーダーは、メンバーに仕事を振り分ける能力も試されると思います。自分だけで完結できるならば、それでよいのだと僕も考えていた時がありました。しかし今は、それによって自身の負担が過剰になったうえにメンバーの経験値も上がらないのは非常に効率が悪く、組織の成長にはつながっているとは言えないと考えています。よってただ振り分けるだけではなく、その内容について具体的にどれくらいのことをすればよいのかという情報を付加して仕事を振り分けることが重要な能力になると考えています。
リーダーに求められる資質は社会の変化とともに今後も加速度的に変化し、多様化し続けると思います。組織の中心に立てば、さまざまな批判を受けることもあります。組織として、個人として成長することをさまざまな側面から評価し、それを統合的に解釈して組織を運営することは、非常に難しいことだと改めて感じています。その難しさは、過去の自分を乗り越えて成長するために必要な試練なのだと考えています。この経験は無駄にはならないのであり、むしろ「無駄にしない」ためにどのような行動および思考が必要なのかを考えていく必要があると考えています。
出来事に対する予測は自身が推論できる可能性に対して開かれている。しかし、自身が推論する可能性の外側も存在することは否定できない。つまり、自身だけで考えることには限界があるということ、そして発生することがらはたいてい予想通りいかない「非線形的な」側面があることを前提に行動するべきだということです。だからこそ組織はリーダーだけではなく全員が協調的に進む必要があるのだと思います。
あと1年が僕自身SOLSの中心となって活動する期限になると予想しています。それまでに達成すべきことや、得られた課題から習得できる知識や技術を大切にして、この経験が学生生活の一部として価値あるものになるよう、邁進していきたいと考えています。
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