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検査から公衆衛生の道へ





はじめまして、SOLSコラムを初めて書かせていただきます、かすみです。

群馬大学で臨床検査について学び、臨床検査技師の資格を取得しました。現在は長崎大学で公衆衛生の修士1年生として勉強しています。ちなみに、長崎大学には検査の専攻がないんです。


ところで、「公衆衛生」って臨床検査とどう結びつくんだろう、と考えたことはありませんか?授業を思い出して、日本の死因や医療費、医療保険といったテーマが思い浮かぶかもしれませんね。


さて、私が修士で取り組んでいる研究テーマは「Trypanosoma cruziの母子感染における新生児検診へのアクセスにおける母親の障壁」です。Trypanosoma cruziは、臨床検査学科の3年生なら知っていてほしい、Chagas病の原因となる寄生虫です。実は学部時代にも、この寄生虫を使った実験で卒業研究を書いていました。(大変でしたが、やりがいがありました!)


でも、「母親の障壁」なんて言葉が出てくると、検査とは少し離れたテーマに感じるかもしれません。でも、私はこの部分を解明することがとても重要だと思っています。なぜなら、検査技師の使命は「正確な検査結果をできるだけ早く届けること」だと記憶していますが、もし被検者が検査に来なかったら?検査機器がその場に無かったら?医療従事者が検査の重要性を理解していなかったら?これらの問題を解明し、新たなアクションを起こすことが、公衆衛生を通じて、検査を含めた医療行為、そしてその先の健康へとつながるのです。


それに、「検査」は公衆衛生において非常に重要な役割を果たしていることをご存じでしょうか?公衆衛生のプロジェクトの中では、「検査率を〇%まで上げる」という目標をよく見かけます。それほど、検査は重要視されているのです。私の研究対象であるChagas病も、「90%の人が自分の感染状態に気づいていない*」とされています。この90%の人々を治療につなげるためには、検査を受けることが不可欠です。


検査室からフィールドへと活動の場を移しましたが、「検査」というキーワードを持ちながら国際保健に取り組めていることに、少し誇りを感じています。研究生活には不安も多いですが、楽しみながら頑張りたいと思っています!


今回は自己紹介的なコラムになりましたが、これを通じて少しでも多くの方が臨床検査から公衆衛生に興味を持っていただけたら嬉しいです😊

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