広辞苑第七版2567ページ
ふ-つう【普通】
①ひろく一般的であること。多くにあてはまること。
②どこにでも見受けられ、他と特に変わらないこと。
広辞苑第七版2086ページ
とく-しゅ【特殊】
①普通と異なること。特別であること。↔一般
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検査の勉強を進めていくと”普通”の名を冠した染色や培地等に出くわすことがあります。
しかし、果たしてそれがどんなものなのか皆さんはご存知でしょうか。
普通が分かれば特殊も分かります。
そこで、今回は検査学生が習う”普通”と名の付くものをご紹介していきます!
普通寒天培地(微生物学)
基本的な組成として肉エキス、ペプトン、NaCl、寒天を含む培地です。
なお、「標準寒天培地」とはブドウ糖(グルコース)の有無などの組成の違いがあります。
普通寒天培地は多くの菌の発育を促進しますが、一部の菌では発育しないことがあります。その場合、特殊な培地を用いたり、温度や酸素、炭酸ガス濃度といった環境条件を整えたりする必要があります。
国試ではそういった変わったものが出題されることが多いです!
しっかり押さえておきましょう!
普通染色(病理検査学)
一般染色や基本染色と呼ばれることの方が多いかと思います。病理検査における組織の染色法の中ではH-E(ヘマトキシリン・エオジン)染色のことを指します。
酸性色素であるエオジンが結合すると桃色に染色され、塩基性色素であるヘマトキシリンが結合すると青紫色に染色されます。
皆さんも組織切片を観察するときに一度は目にするのではないでしょうか。
普通染色(血液検査学)
血液の分野ではRomanowsky(ロマノフスキー)染色と総称される、Giemsa染色、Wright染色、Wright-Giemsa二重染色、May-Grünwald-Giemsa二重染色(パッペンハイヤー染色)を普通染色と呼びます。
こちらも一般染色と呼ばれることがあります。
病理検査とはまた違った染色法をよく用いることになります。
注意しましょう!
普通針筋電図検査(生理機能検査学)
普通針筋電図検査は運動単位の異常が疑われる場合に行う検査で、国試でも過去に出題があります。筋肉に針電極(一般には一芯同心針電極)を刺して骨格筋の活動電位を記録する検査ですが、侵襲性があり、臨床検査技師はこの検査を行えません。
しかし、知識として身につけておくと良いと思います!
運動神経の理解には重要です!
もし、これらの他に”普通”と名の付く検査学用語がありましたらぜひコメント欄などで教えてください!
それではまた!!(^_^)/
楽しく読ませていただきました^ ^
普通って難しいですよね。
医療従事者にとっての普通は、一般の方にとっては特殊なのでそこら辺のギャップも頭の片隅に入れておくのも大切ですね。